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めまい大辞典では、目眩の原因・症状・対策などを一般の方にも分かりやすくご説明しております。

2019年2月25日

自律神経(交感神経・副交感神経)の機能の低下によるめまいの対策

前ページ「めまいの原因 - 感情の抑えこみによる自律神経機能の低下 詳細」で伝えたことの要点

  1. 怒りや喜びなどの感情を外に出さないと交感神経の機能が低下し、脳と体の機能も低下してめまいが起きる。
  2. 悲しみや落ち込みなどの感情を外に出さないと、副交感神経の機能が低下して、疲労の回復や病気やケガを治すことがむずかしくなり、めまいが起こったり、あるいは、治りにくくなったりする。

 これらはまとめて、「自律神経の機能の低下によるめまい」と言います。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。
そのため、交感神経と副交感神経のそれぞれの機能を活性化させる対策が必要となります。

▼交感神経を活性化させる

 交感神経を活性化させるために一番いいことは、怒りや喜びといった感情を自分の外に出し、表現することです。
そうはいっても、それが出来ないため交感神経の機能が低下し、その結果めまいになっていますので、「怒りや喜びを外に出してください」と言われても難しいと思います。
そのような方に対策として行って欲しいのが、「筋肉を動かす」ことと共に「声を出す」ことです。

 交感神経は、ストレスに抵抗し、強くなるための神経です。
そのため、体がストレスに強くなると交感神経も活性化します。
人間社会では、ストレスは精神的なものが多いですが、人間も動物であることを忘れてはなりません。
動物のストレスとは物理的なストレスです。
例えば、敵が襲ってくるとかエサがないとか、生死にかかわる物理的なものです。
その時に重要なのが、「筋肉を動かす」ことと「声を出す」ことです。

 敵から逃げたり、エサを取るためには、筋肉を動かして走ったり、崖や木に登ったりしなければなりません。
あるいは、自分を攻撃してくるものには、大きく吠えて威嚇したりします。
つまり、筋肉をたくさん動かすとともに、声を大きく出すことで交感神経を活性化させ、ストレスに抵抗しているのです。

 そのため、怒りや喜びの感情を外に大きく出せない方は、運動をして大きな声を出すことが対策になります。 交感神経の機能が高まれば、このタイプのめまいは、自然と改善していくのです。

▼副交感神経を活性化させる

 副交感神経を活性化させるのに一番いいことは、悲しみや落ち込みの感情を、自分の外に出し表現することです。
悲しみは「泣く」ということで表現されます。
落ち込みは、引きこもったり愚痴を言ったりすることで表現されます。

 しかし、「泣いてはいけない」「落ち込んでいる場合ではない」という考えが強くあると、一生懸命がんばることになります。
すると、交感神経は働くのですが、副交感神経は働けずに、機能がどんどん低下してしまうのです。

 実は、泣くという行為は、自分を癒す行為であり、副交感神経を活性化するのにとても重要な行為なのです。
あるいは、落ち込みは、自分の不満を吐き出し前に向かせるための重要な行為なのです。

 現代社会では、「ポジティブ」という言葉がいい意味で使われていますが、ポジティブに縛られると泣くことや落ち込むことは悪いことのように思ってしまいます。
しかし、動物的な機能として備わった、副交感神経を活性化させ自分を癒すための、とても大事な行為なのです。

 ですので、まずは対策として「泣いてもいい」「落ち込んだっていい」というように、自分の感情を許し、受け入れることです。
この、「受け入れる」という行為も、実は副交感神経の働きですので、こう思うだけでも副交感神経は少し活性化するのです。

 また、「接触」を増やすことも副交感神経を活性化させます。専門用語でいうと「コンタクト」を増やすと言います。
特に、人とのコンタクトを増やすと良いでしょう。
深いコンタクトとは「肌と肌」のふれあいです。
赤ちゃんは母親に抱かれることで深い安心感を覚えます。これは、肌と肌の接触で深い安心感が生まれるからです。

 直接肌が触れ合うのがいいですが、もちろん衣服を通してのコンタクトでも十分です。
整体やマッサージなどを受けるのも、一つのコンタクトの方法です。
あるいは、自分から手をさし伸べて握手だけでも増やしてみるのも良いでしょう。
または、挨拶するときに相手の目を見る。これはアイコンタクトです。
これらは直接的なコンタクトになり、副交感神経が活性化しやすくなります。

 いきなりこれらが難しい場合は、電話やメール、手紙、SNSなどでのつながりもコンタクトになります。

 人が苦手という方もいるでしょう。
そういった方は、動物でも構いません。
犬や猫など哺乳類の方が効果はありますが、植物でも構いません。
生き物とのコンタクトを行うようにしましょう。
動物でも植物でも「育てる」という行為が副交感神経の活性化に役立ちます。

 それも無理という方は、ぬいぐるみなど生き物を模倣して作ったものでも構いませんので抱きしめてみて下さい。
男性的な方は少し抵抗があるかもしれませんが、そういった方ほど、交感神経の機能が優位になり過ぎてしまい副交感神経の機能が低下していますので、お勧めです。

 ちなみに、副交感神経の働きは、交感神経と異なりゆっくりですので、少しずつでもいいので長~く続けることで効果が出てきます。
2~3週間ぐらいで効果が出ないからといってやめないようにしてください。
副交感神経の機能低下は他の病気にもなりやすいので、早めに取り掛かってみて下さい。

 交感神経や副交感神経の対策は同じ時期にやっても構いませんが、対策をしてもめまいが改善しない場合は、めまいに詳しい整体院・健療院グループにご相談ください。


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 めまいに詳しい整体院グループ 

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