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めまい大辞典では、目眩の原因・症状・対策などを一般の方にも分かりやすくご説明しております。

2019年3月 8日

中枢性めまいの原因と病気

 「中枢性めまい」には、軽症のものと重症のものがあります。
どちらも、原因のある場所は脳幹と小脳です。脳幹も小脳も「中枢神経」の一部であるため、「中枢性」と言われます。

 まずは、多くの方に該当する軽症の中枢性めまいの原因からお伝えします。
しかし、軽症か重症かは自己判断できませんので、重症のケースもご覧になり、必ず一度病院で検査を行って下さい。

 脳幹や小脳は、姿勢の保持や姿勢反射などをコントロールしています。
そのため、何らかの原因で脳幹や小脳の機能が低下すると、姿勢が安定せずにフラフラとしてしまいます。
まるで、雲の上や綿の上を歩いているようにふらついてしまい、安定しません。
これをめまいと感じます。

 脳幹や小脳の機能が低下してしまう主な原因は、下記の2つです。

  1. 小脳や脳幹への刺激が少なくなっている。
  2. 小脳や脳幹への栄養(酸素や糖)が足りなくなっている。

 それぞれを説明していきます。

▼ 1.小脳や脳幹への刺激が少なくなっている

 人間の体が正常に動くには、目や耳などの感覚器が感知したさまざまな感覚情報を、神経を通じて脳幹や小脳に送る必要があります。この感覚情報が「刺激」です。
そして小脳や脳幹は、送られた情報に基づいて、色々な反応を無意識的にコントロールすることで生命を維持しています。

 例えば、歩いていて石につまずいて転びそうになった時、とっさに足を出したり、手で体を支えようとしたりします。
これは、足からは「つまずいた」という感覚が、三半規管や耳石器(じせきき)からは「体が倒れそうになっている」という感覚情報が脳幹や小脳に送られることで、すぐさま足を出したり手を出したりという反応が起きているのです。

 刺激を感じる「感覚」は、大まかに分けて7つあります。
一般的に「五感」と言われているもの以外に、内臓感覚と平衡感覚があります。

  1. 嗅覚(匂いを嗅ぐ)
  2. 視覚(見る)
  3. 味覚(味わう)
  4. 聴覚(音をきく)
  5. 触覚(触る、押されるなど皮膚の変化を感じる)
  6. 内臓感覚(内臓の痛み、息苦しさ、尿意など内臓の状態を感じる)
  7. 平衡感覚(頭の位置や姿勢の変化を感じる)…この感覚が低下するとめまいに

 動揺性めまいの原因である、「脳幹や小脳の機能低下」は、これらの7つの感覚で感じた刺激が、脳幹や小脳に伝わりにくくなるために起きています。

 刺激とは、これら7つの感覚のことをいい、体の中のそれぞれの感覚器を働かせるということです。
例えば、何か味があるものを食べると舌が刺激され、どんな味なのかが神経を通して脳に伝わります。
あるいは、寒ければ寒さを感じる感覚器が神経を通して寒さを脳に伝えます。

 しかし、脳幹や小脳は、感覚器からの刺激が伝達されないと、その分働かなくて良いと思ってしまい、機能が低下してしまうのです。
これが、「小脳や脳幹への刺激が少なくなっている」という状態です。

 つまり、運動不足や老化などでも刺激量が減るため、中枢性めまいになりやすくなります。

▼ 2.小脳や脳幹への栄養(酸素や糖)が足りなくなっている

 脳幹や小脳がきちんと働くには、酸素と糖が必要です。お腹がすいたときに何となくフラフラするのは、糖分が足りずに脳幹や小脳の機能が少し落ちているからなのです。
(このような場合は全身性めまいでもあります)

 また、酸素が不足しても脳幹や小脳の機能は低下します。しかし、密閉された所に閉じ込められたり、高い山にでも行ったりしないかぎり、周りの酸素が薄くなることはありません。
脳幹や小脳が酸素不足になる原因は、酸素を運んでいる血液の流れが滞ることです。

 その原因で最も考えられるのは、自律神経失調症です。自律神経失調症になると、交感神経が過剰に働き、副交感神経が働かなくなります。すると、交感神経の作用で血管が細くなってしまうのです。

 特に毛細血管は、酸素を運んでくれる血球の大きさよりも細くなっているところもありますので、交感神経が過剰に働き血管が細い状態が続くと、血液の流れが非常に悪くなってしまいます。
すると、その部分には酸素が不足し、不足した部分の機能は確実に低下してしまうのです。
これが平衡感覚をコントロールしている所で起きると「中枢性めまい」になります。

 更に、脳幹や小脳は平衡感覚だけでなく、スムーズな体の動きなどもコントロールしています。そのため、この部分が酸素不足になると、めまいではなく体の動きがギクシャクしたり、ろれつが回らなくなったりするような症状が出ることもあります。
いずれも脳幹や小脳の機能低下で起こりえることです。

 一方、めまいもあり、ろれつも回らない場合だと、脳幹や小脳が広範囲で酸欠になっている可能性があるので、注意が必要です。
重症なケースかもしれませんので、できるだけ早く脳神経外科に行くことをお勧めします。

▼ 重症の『中枢性めまい』の原因

 次に、重症の『中枢性めまい』の原因をお伝えします。

 重症のケースは、小脳や脳幹に重大なトラブルがあることで起こります。
特に多いのは、脳幹や小脳に腫瘍・梗塞がある場合や、悪性発作性頭位めまい症・脊髄小脳変性症などの病気がある場合です。
これらの病気でも動揺性めまいが起きますので、注意が必要です。

 まず一番重要なのは、このような病気がないかを調べることです。脳神経外科を受診すると、検査をした方が良いかどうかを判断し、必要であれば詳しい検査もしてくれます。
そのため、めまいが起きてから一度も病院で検査をしていない方は、一度は検査をしておくことを強くお勧めします。
不安がっていても何の解決にもなりません。早期発見・早期治療が病気の鉄則です。

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