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めまい大辞典では、目眩の原因・症状・対策などを一般の方にも分かりやすくご説明しております。

2019年4月10日

中枢性めまいの対策

 中枢性とは、脳と脊髄(中枢神経)のことを指します。 そのため、命の危険が伴う病気によってめまいが起きていることもありますので、必ず病院で検査を受けて下さい。
ここでは、病院で検査をしても「異常がない」と診断された方を対象にお伝えさせていただきます。

 実は、めまいの多くは病院の検査で異常が出ないのです。逆に検査で異常が出たら、既に何らかの病気に罹っているということですので、異常がない場合はそれほど深刻ではないと思って良いでしょう。
そうはいっても、めまいの症状が酷い方もいらっしゃいますので、そのままにしてはおけませんから、ここでお伝えする対策を行ってみて下さい。

 原因のページで、中枢性のめまいは下記が原因とお伝えしました。

  1. 小脳や脳幹への刺激が少なくなっている
  2. 小脳や脳幹への栄養(酸素や糖)が足りなくなっている

 そのため、以下の対策を行うことが重要です。

▼ 1.小脳や脳幹への刺激が少なくなっていることへの対策

 通常、人は下記の7つの感覚を感じています。

  1. 嗅覚(匂い)
  2. 視覚(見る)
  3. 味覚(味)
  4. 聴覚(音)
  5. 触覚(体の感覚)
  6. 内臓感覚(内臓の感覚)
  7. 平衡感覚(この感覚が低下するとめまいに)

 この中で、1.嗅覚。2.視覚の2つは、感覚刺激が直接大脳に入るため、脳幹にも小脳にも刺激が入りません。残る3~7の感覚は脳幹や小脳へ刺激として入力されます。

 これらの感覚が感じにくくなると、平衡感覚が感じにくくなりめまいが起きます。
これらが異常に低下すると「解離」という状態になり、めまいの以外にも様々な症状が出てきます。詳しくは下記ページをご覧ください。

めまいの原因 - 解離 感覚低下や自分自身が別人のような感覚


 実は、感覚の低下は「意識」によって回復できます。例えば...

  1. 味覚:口に含んだりものをじっくり意識して味わう。
  2. 聴覚:周りの音を意識して聞いてみる。
  3. 触覚:顔の温かさや手の重さ、あるいは自分の姿勢や足の裏を意識して感じてみる。
  4. 内臓感覚:胃の状態などを感じてみる。温かい飲み物を飲んで、その温かさがどのようにお腹に入ってくるかを感じてみる。
  5. 平衡感覚:めまいがしない時に自分がまっすぐに立っていることなど、自分の姿勢を意識して感じてみる。

 これらのことを行うことで、小脳や脳幹が活性化してきます。するとめまいが改善していきます。


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脳幹や小脳が色々なことを感じないとめまいになる。

▼ 2.脳や脳幹への栄養(酸素や糖)が足りなくなっていることの対策

 脳幹や小脳を活性化させても、酸素や糖が十分に届いていないと活性化が続きません。
酸素や糖は、血液によって脳幹や小脳に運ばれています。つまり、中枢性のめまいの方は血液の流れが悪くなっているのです。
その原因の多くは自律神経の乱れです。

 自律神経の働きが乱れると、血管が収縮しますので、血液の流れが悪くなるのです。
また、脳幹や小脳だけでなくそこから出ている神経も酸素がなければ動きません。
すると、ふらつかないようにきちんと立とうと足の筋肉に力を入れようと思っても、力が入らないのです。

 そのため、自律神経の乱れを元に戻す必要があります。
では、その方法をお伝えします。


▼ 自律神経の乱れを元に戻す方法

● 1.ストレスから離れる

 自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。
自律神経の乱れとは、交感神経が過剰に働き、副交感神経が働けない状態がほとんどです。(これが行き過ぎると反対になりますが…)

 交感神経が過剰に働く理由は、ストレスが多いことです。そのため、ストレスから遠ざかる必要があります。
実はストレスは下記の4つに分類されます。

  1. 精神的ストレス
    「嫌だな」と思うことなど。
  2. 構造的ストレス
    体のゆがみや筋肉の緊張など。
  3. 化学的ストレス
    栄養素などの不足や過剰、あるいは化学物質の摂取など。
  4. 温度と湿度のストレス
    寒さや暑さなど。

 これらのストレスがあると、自然に交感神経が過剰に働き、ストレスに抵抗しようとします。
この反応は決して悪いことではないのですが、長く続くと交感神経の過剰な働きが元に戻らなくなってしまうのです。
そのため、上記の4つのストレスから離れなければいけないのです。


● 2.呼吸を深く行う

 自律神経は基本的に意識でコントロールできないものです。
しかし唯一、呼吸によってのみコントロールすることができます。
なぜなら、呼吸は無意識のときには自律神経がコントロールしており、意識的にもコントロールできるからです。

 では、どんな呼吸法が良いのでしょうか?

 世の中にはいろいろな呼吸法があります。
腹式呼吸・逆腹式呼吸・丹田呼吸法・○○流呼吸法など。

 患者さんにどんな呼吸法が良いのか尋ねられますが、最初はどんな呼吸法でも構いません。
もっというと難しい呼吸法よりもとりあえず「大きく吸って、大きく吐く」を意識するだけでも構いません。

 時間にして3~5分間、とにかく大きな呼吸をしてみて下さい。
寝る前や緊張したときなど、一日数回行って下さい。
また、この大きな呼吸は酸素がたくさん体に取り込まれ、脳幹や小脳に酸素が届きやすくなりますので、めまいも改善しやすくなります。


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